記.2002年11月某日
 
   
デニムとフリースの話。  
 

世界的にデニムが流行でチノパンに替わってデニムジーンズという様相です。
しかし電車の中で見るジーンズはみな膝が丸く出っ張った”くの字”、膝後ろは横ジワ、白地のところは汗染みで黄ばんだ、無惨なものばかりでした。 サラッとしたさわり、ゴワッとした感じが無くなってシナッとしてきたら洗濯サインです。
元々作業着がオリジナルですからそれを町中ではくにはマナーとして”清潔感”が必要です。アメリカ、ヨーロッパではこんなジーンズをはいていたらホームレス扱いです。

     
土曜日の御茶ノ水界隈、電車の中を通して”フリース”のウエアがほとんど目に付かないのに驚きました。
もはやフリースを着ていることは”流行遅れ”と言う感じなのでしょう。一時のMA-1の流行時とその後を見るようです、MA-1は安く大量に出た段階で”オバサンウエア”となり若い人が敬遠してしまったのです。今回のフリースもオジサン、オバサンの散歩着になってしまいました。安さを売り物にしたら確実にオバサンに狙われます。デザイニング等でイメージチェンジし、あの暖かく軽い素材の商品を新鮮なイメージに再生させることが業界の課題でしょう。

MA-1
   

一概に高い服イコール良い服、安い服イコール悪い服とは言えません。しかしこのご時世で安い物から売れる、売る人にとって売れる服は良い商品、買う人はこれで間に合う、という考え方で「悪貨は良貨を駆逐する」に近い構図のようです。
作る人達は 素材、色柄、デザイン、値段、ファッション性、耐久性、利便性、機能性等の
理屈で説明出来る項目ばかり強調して、着心地、ルックス、気分、お洒落などの「感性を満足させる」という本来の付加価値=フィーリング意識が抜けてきているのではないでしょうか?「仏作って魂入れず」という気がします。   

     
 
■過去ログ 「良い服、悪い服」 編 

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